いろいろな物質に含まれる成分は一体どうやって調べるのか。

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と呼ばれる方法がよく用いられる。

 

液体を分離する仕組み

まず、ろ紙を使って液体を分離するペーパークラマトグラフィーについて考えるとわかりやすい。

ろ紙の先にある液体を付着させ、アルコールの入った皿につけるとろ紙に対する吸着力が強い色素は移動速度が遅いので下に、吸着力が弱い色素は移動速度が早いので上に行く。



高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の仕組み

HPLCの場合はカラムと呼ばれる筒状の容器に充填剤を入れる。

そこにある液体をポンプで送り込む。

そこに対象となる液体(あるいは溶媒で溶かした固体)を入れる。

そうすると、その液体の各成分の充填剤に対する吸着性の違いにより移動速度に差が生じる。

充填剤がペーパークラマトグラフィーにおけるろ紙、ポンプで送り込む液体がアルコールの役割を果たしているといえる。


専門用語では充填剤を「固定相」、ポンプで送り込む液体を「移動相」と呼ぶ。


測定条件が同じであれば各成分がカラムに入ってから出るまでの時間は変わらないので、定量化できる。

定量化されたデータと対象資料のデータを比較して物質の成分や量を特定する。



気体を調べる場合は?

対象となる物質が気体の場合は、移動相に気体を用いるガスクロマトグラフィーという方法を用いる。

液体も加熱させて気化させることができれば、この方法での分析が可能。