ロシア文学の名作を短くまとめてみました。


罪と罰 (ドストエフスキー作)




貧乏青年ラスコーリニコフは「一つの罪悪は100の善行で償われる」と考え、金貸しで強欲な老婆を殺害し、奪ったお金で世の中のために善行をしようとする。しかし偶然殺害現場に居合わせた老婆の妹まで殺してしまったことで罪の意識に苦悩する。事件を追及する判事ポリフィーリーに追い詰められる中、自己犠牲の生き方を貫く娼婦ソーニャに心を打たれ最後には自首する。罪の告白を聞いたソーニャが「あなたが汚した大地にキスしなさい」と言う場面が有名。



戦争と平和 (トルストイ作)




ナポレオンとロシアの戦争を舞台に繰り広げられるロシア貴族の興亡や恋の群像小説。主人公はピエール、その親友アンドレイ、その妹マリヤ、軟弱な青年ニコライとその妹ナターシャ。最終的にはピエールとナターシャ、ニコライとマリヤが結ばれる。映画版ではピエールをヘンリーフォンダ、ナターシャをオードリー・ヘップバーンが演じた。登場人物は全部で559人。アウステルリッツの戦いや、ボロディノの戦い、モスクワ制圧、フランス軍のロシア遠征などの歴史的背景が詳細に描かれている点でも価値ある文学作品。



かもめ (チェーホフ作)




チェーホフの劇作家としての名声を揺るぎないものにした代表作。作家志望のコスチャは自分が書き下ろした脚本の舞台に恋人のニーナを主演させようとする。しかし母アルカージナの悪評に怒ってコスチャは幕を下ろす。コスチャが去った後、アルカージナはニーナに作家のトルゴーリンを紹介する。ニーナはトルゴーリンと一緒になって子供を生むがやがて捨てられ子にも死なれ、女優としても芽が出ず、地方を巡業する。コスチャのニーナへの想いはかなわず最後は自殺する。